不規則な生活や習慣などにより、身体を働かせる自律神経のバランスが乱れるためにおこる様々な身体の不調のことです。
内臓や器官の病変によるものではないので病院で検査をしても「異常なし」。
自律神経のバランスが乱れると様々な不調が 『自律神経失調症』の症状としては、体の一部が痛くなったり具合が悪くなったり精神的に落ち込んだり・・と人によって様々で、いくつか重なって症状があらわれたり症状が出たり消えたりする場合もあります。 自律神経系の様々な種類の自覚症状なので症状のあらわれ方が非常に不安定なためです。 また、遺伝体質、性格、ストレスの感受性により症状の出方も様々であると言われ、治療は心身両面から柔軟に行うことが必要です。 定義や概念については多くの考え方があり、また正式な病名ではありません。自覚症状があるのに検査をしても異常がみつからないときに自律神経失調症と診断されることが多く、本来であれば別の病名がつくはずのものを安易に自律神経失調症と診断づけるケースも残念ながら少なくないようです。 なんでも自律神経失調症・・・で片付けてしまうと、癌のような重大な病気を見逃すことにもなりかねないので、患者本人や周囲の人はこの点も十分に留意しましょう。
自律神経失調症4つのタイプ
自律神経失調症には4つのタイプがあります。
1. 心身症型自律神経失調症
自律神経失調症には4つのタイプがあります。 まず心身症型自律神経失調症というのは、仕事や、人間関係などの過剰なストレスが原因となって起こるもので、主として身体症状が前面に現われます。これは完璧主義の傾向が強く、無理をしたり、何かにつけ頑張りすぎるくらい頑張ってしまう人がなりやすいと言えます。 また、自分の感情を押し殺して周囲に合わせ過ぎてしまう人もなりやすいようです。当然、「NO」が言えない人、何かと他人の期待に応えてしまう人も同様です。このタイプの人にはストレスを溜め込みやすい傾向があります。ストレスがかかってもそれをストレスとは思わず、知らないうちに過剰なまでのストレスを溜め込んでしまうことが多いものです。 その結果、自律神経のバランスが崩れて発症しやすいのです。
2. 神経症型自律神経失調症
心理的な問題が大きく影響して起こるのが、神経症型自律神経失調症です。 身体症状と共に、不安やこだわり、イライラなどの精神症状も強く現われてきます。 雑念にとらわれやすく、集中力や記憶力の低下を訴えることも多いものです。 もともと神経が過敏でこだわりが強く、ちょっとしたことが不安になったり、気になったりしやすい人が発症しやすいようです。 また、他人に対する依存心も強い人が多いようです。 このタイプの人はストレスには弱く、気にしなくてもいいことまで気にする傾向が強いので、自分でストレスを作ってしまうこともしばしばです。 自分で自分を追い込んでしまうと言ってもいいでしょう。 こういう人がいったん自律神経失調症になると、頻繁に体調を気にしすぎるために、よけい症状が悪化しやすくなります。 一番いいのは、症状があってもあまりこだわらなければいいのですが、性分でそれがなかなかできないのです。 それで回復が遅れ、長引くことになるのです。
3. 抑うつ型自律神経失調症
抑うつ型自律神経失調症の人は、初めは身体症状ばかりが気になって仕方がないのですが、実は軽い抑うつ感が潜んでいて、無気力や意欲低下、不安感などの精神症状を伴っているものです。 まじめで几帳面、自己反省をする傾向が強く、責任感も強く完璧主義、こだわりやすいといった性格傾向を持つ人に多く見られます。 当然このような性格の人は、ストレスも溜め込みやすくなります。 抑うつ型自律神経失調症は人事異動、栄転、定年、退職、新築、引っ越し、子供の独立、家族との離別など人生の節目やライフ・スタイルに大きな変化があった時に発症しやすいと言われます。 こうした生活上の変化は、それがたとえ嬉しいこと、喜ばしいことであっても、大きなストレスになります。 そういうストレスが引き金になって発症するのです。
4. 本態型自律神経失調症
生まれつき自律神経のバランスが崩れやすく、ストレスや心理的原因がなくても発症すると考えられているのが、本態型自律神経失調症です。 ただ本当にストレスがなくても発症するのかは、よくわかっていません。自律神経が過敏なために、普通だったらストレスにならないようなことでも反応してしまうのかもしれません。 なお統計的には、この本態型自律神経失調症に罹る人はごくわずかしかいません。
< 目 > 疲れ目、なみだ目、目が開かない、目の乾き
< 心臓・血管系 > 動悸、胸部圧迫感、めまい、立ちくらみ、
のぼせ、冷え、血圧の変動
< 消化器 > 食道のつかえ、異物感、吐き気、腹部膨満感、
下腹部の張り、腹鳴、胃の不快感、便秘、下痢、
ガスがたまる
< 筋肉・関節 > 肩こり、筋肉の痛み、関節のいたみ、
関節のだるさ、力が入らない
< 精神症状 > 不安になる、恐怖心におそわれる、イライラする、
落ち込む、怒りっぽくなる、集中力がない、
やる気がでない、ささいなことが気になる、
記憶力や注意力が低下する、すぐ悲しくなる
自律神経失調症は心の状態が深く関わっている病気です。そのため、心と体の両面から治療を行うことが大切です。心の面からの治療は症状の背景にあるストレスや悩みを解決させる必要があります。その一方、肉体面からの治療は、症状だけを取り除くだけではなく、自律神経のバランスが崩し易くなった体質そのものを改善する必要があります。
●薬物療法
自律神経失調症の背景には心理的・社会的な要因がありますが、多くの人が自覚しやすいイライラ、めまい、 食欲不振、不眠など、体にあらわれる症状を取り除くのが薬物療法です。治療に使われる薬の種類は自律神経調整薬、抗不安剤、抗うつ剤、睡眠誘導薬、また場合によってはホルモン剤やビタミン剤なども使われることがあります。
●理学療法
自律神経失調症には指圧やマッサ−ジ、温熱療法等の理学療法により改善されるものもあります。理学療法によって、とりあえず体にあらわれる症状を取り除き、その後に心理的な療法によってじっくりと治していくのもひとつの治療法といえるでしょう。
●心理療法
自律神経失調症は多くの場合、その背景にはストレスや不安、人間関係のトラブル、性格の偏りが存在します。このような心理面の問題に対して治療を行おうとするのが心理療法あるいは精神療法と呼ばれるものです。こうした治療法の中には医師がアドバイスをする簡易精神療法や、医師の援助のもとに患者自身が自分の状態に気づくことを期待するカウンセリング、さらには訓練によって心と体のバランスを図る自律訓練法等、数多くの治療法があります。
●漢方薬
自律神経失調症になりやすい人は、体のほうは問題がなくても緊張しやすい、ストレス耐性が弱い、神経質であるなど、ストレスに反応し易く、またストレスにより自律神経のバランスを崩しやすい傾向にあります。このような傾向にある人は体質を根本から改善する必要があります。漢方薬は人間が本来持っている自然治癒力を利用して、心身の調和を図る作用があります。
*上記に代表的な治療法をあげましたが、その他にも様々な治療法があります。私自身も精神科でカウンセリングを受けたり、漢方薬を飲んだり、いろんな治療法を試しましたが、肉体面だけ、あるいは精神面だけを治療してもなかなかその効果があらわれにくい気がしました。肉体面、精神面の両方の治療をバランスよく行うことが大切だと思います。そうすることで私自身も症状を改善することができました。
病院では患者さんの症状に合わせて、次のような薬を処方します。
●自律神経調整剤……自律神経の中枢に直接作用して、安定をはかる薬。原因に精神面が関与しない場合に効果的。副作用が少なく、長期間、使用できる。
●精神安定剤(抗不安剤)……自律神経の緊張を緩和させ、不安や緊張を和らげる薬。副作用は眠気やめまい、脱力感など。
●ビタミン剤……自律神経のバランスを整えるビタミンA、B群、C、Eを処方する。他の薬との併用が基本。
●ホルモン剤……更年期の女性や卵巣を摘出して、ホルモンバランスが崩れた女性に、女性ホルモンを補充する
●黄連(おうれん)……精神の不安を抑え、胸のつかえや下痢などにも効果がある。
●抑肝散(よくかんさん)……イライラ、神経の高ぶり、不眠症などを抑える。
●芍薬(しゃくやく)……神経の緊張を和らげ、高まった血圧や筋肉の興奮を抑制。
●その他……抗うつ剤、睡眠誘導剤など。 一方、市販の漢方薬には、次のような薬が有効です。